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「ひと・人」島津美子さん: 博物館においでよ! 日本の歴史をわかりやすく

2018/04/09 23:29:00 | ひと・人 | コメント:0件

島津 
島津美子(しまづよしこ)
(プロフィール)
山梨県甲府市出身。オランダ文化遺産研究所にてプロジェクト研究員(北ヨーロッパの近代油彩画の調査)、東京文化財研究所にて特別研究員(海外の文化遺産の保存修復に関する調査研究プロジェクト)などを歴任し、現在は、国立歴史民俗博物館 准教授

「れきはく」で働く
 私の仕事場は「れきはく」です。「れきはく」は国立歴史民俗博物館のことで、千葉県佐倉市にあります。よく「みんぱく」と間違えられますが(笑)、こちらは、大阪にある国立民族学博物館のこと。実は別の博物館なんです。
 ここ歴博では、「日本の歴史と文化」を展示しています。私の仕事は、歴史的な彩色資料の絵具に、どのような材料が使われているのか、その材料はどこで作られたのか、あるいはどこから運ばれてきたのか、といったことを調べています。今は、江戸時代から明治期にかけて作られた絵画や錦絵、彩色仏像が主な調査対象です。
 毎日、モノを通じて歴史と向き合っていく仕事です。

化学から文化遺産へ転換 
 大学の学部では、基礎的な化学合成の勉強をしていました。ですが、勉強を続けていくうちに、もっと現実社会の中で目に見えるものと関われないだろうかと思い始めたのです。 
 そうしてていたころ、システィーナ礼拝堂の壁画修復に化学が関わっていることを知り、文化遺産の保存修復や博物館に興味をもったのがきっかけでした。
 そのあと、マルタ共和国、オランダ、タジキスタン、インド、エジプト、ウズベキスタン、トルコ、イギリスなど、たくさんの国で文化遺産の保存修復の実務や研修を通じて研鑽を積みました。

日本の博物館への思い
 海外の経験から日本を眺めてみると、日本の博物館の現状には危機感を感じます。日本にはたくさんの博物館・資料館がありますが(数年前のデータでは約8000館)、その大半は、閑古鳥が鳴いている状態と言っていいと思います。
 多くは公共施設であるために何とか維持されていますが、観光資源にならない館は次第に閉鎖に追い込まれています。
 建物の効率化を進めるのは、個人的には賛成なのですが・・・、多くの歴史的な資料や私たち日本人のバックボーンとなっている文化が自分たちの時代に失われていくのをただ見ているだけというのは、とても切なく感じます。
 私は愛国者というわけではありませんよ(笑)。でも、海外をめぐってきてから日本をみて自然に湧き上がってきた思いです。
島津2室 
日本人に日本の歴史を伝える
 自分が生まれた町や過ごした地域の歴史や文化を残していくためには、その土地に暮らす人たちにまずは歴史を知ってもらう、資料を見てもらうことだと思うようになりました。
 自分がそうなのですが、見えなかったり、触れられなかったりすると、いろいろなことを忘れてしまうのです。歴史も文化も伝える人がいなくなれば、消えていってしまいます。
 自然淘汰は仕方のないことですが、それでも、地域の歴史や文化を少しでも残そうという人たちがいらっしゃるならば、一緒に何かできないのか、と。
 というわけで、最近は、今まで博物館に行ったことがない人、ほとんど行かない人にどうしたら博物館に来てもらえるのか・・・、を真剣に考えています。

グローカルにつながる
 「グローカル」という言葉や活動を知ったのは、GLFPの三好さんにいただいた記事(毎日フォーラム)が最初でした。丸森という地域とザンビアがつながって、外国人の目で地域の良さを見直しているという内容でした。
 その時は、「へえ」と思ったくらいだったのですが、「外部の視点を入れる」という考え方は、博物館にも必要なのではないかと思い直すようになりました。
 三好さんが主催したいくつかの研修やイベントを通じて、これまでにまったく関わることのなかったさまざまな職種の方々と出会い、たくさんのいい刺激を受けましたし、仲間が増えていきました。
 今回、三好さんにGLFPの活動にお声掛けいただいたので、一人ではできないことを仲間と一緒にやってみたいですね。
 日本の歴史や文化を残していくことに興味がある方、ぜひ一緒に何かできたらと思いますので、よろしくお願いいたします!
(了)
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島津さんに連絡を取りたい方は、ページ右にある「主催者にメールする」から送信してください。
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---関連情報----

国立歴史民俗博物館
https://www.rekihaku.ac.jp/research/researcher/shimadzu_yoshiko/

東京文化財研究所

オランダ文化遺産研究所

システィーナ礼拝堂の修復

国宝・文化財の持ち腐れ-財政難で相次ぐ地方博物館の閉館

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