【報告】日本の地方を体験して南アジアの未来人財とつくる未来のビジョン-グローカルなスタディ・ツアー@中之条(12月17日18日・土日)を開催しました。
2022/12/20 14:32:00 |
レポート |
コメント:0件

未来のアジア地域の発展を担う南アジアの経済圏SAARCの若者たちと日本の若者たちが、世界に共通する開発課題(今回テーマは農業とエネルギー)について、話し合う会議を、群馬県中之条町で2022年12月17日と18日に開催しました。グローカルな仲間たちが企画と実施とお手伝いしましたので、こちらに報告します。
2022年12月17日のお昼に中之条駅で出迎えの準備をする中之条の若者たち(+サポーター)。花と温泉の町「群馬県中之条町」では、新しい農業の担い手育成と地域連携を推進する「Nコネ(中之条コネクト)」という地域密着のNPOがいます。Nコネのメンバーが現場実施をしてくれました。
駅からチャーターしたバスに乗り換えて、さっそくツアーが開始です。スリランカ、モルジブ、ブータンから4名の若者、そして日本の大学生6名とサポートとして国際協力の現場で働く若者2名が参加しました。
最初のオリエンテーションの場である中之条博物館ミュゼにつくと・・・そこに「忍者」が登場!!! 中之条では忍者も活躍していた時代があるそうです。この忍者さんは、学芸員の方でまじめに忍者研究と展示をしています。
中之条の歴史や文化について、博物館の館長である山口さんからレクチャーと案内をしてもらいました。博物館での展示を通じて、町の全体像を地理だけでなく歴史文化から体感してもらいました。
小さなグループに分かれて、博物館を探検していきます。今回のテーマは「農業とエネルギー」。そのテーマに関連する展示を博物館の中から探して、いろいろ湧き上がる質問をお互いにぶつけていきます。言葉は英語+日本語です。
次に向かったのは、中之条ガーデン。花の町、中之条を体現する町の観光・農業・文化施設でもあります。農業の特産品などをみることができました。
地域で定番の「おきりこみ」(野菜や肉を煮込んだうどん)を食べました。マイタケなど地域特産の野菜がはいっていて、地域を食べることで体験し、交流することができました。
次に向かったのは、地域の農家さん「田村農園」さんです。田村さんから畑をみせてもらい、特産品となっている干し芋「いもっ娘(こ)」についてお話しいただきました。生産・加工・販売を一手に手掛ける六次化のモデル農家です。
お話だけではなく、ここから小グループに分かれて、生産現場体験です。芋をピーラーで向いていく作業を田村さんからお話を伺いながら体験しました。手先が器用な参加者もいて「うちにくるかい?」と田村さんから声掛けされていました。
次に天日干しの現場へ。地域の気候(寒くて、湿度が低い)を活用した、完全自然のつくりかたです。機械をほとんど使わずに自然の力で、高品質の干し芋をつくる田村さん。現場の声からさまざまな学びがありました。
次に地域の観光エリアである「四万温泉(しまおんせん)」に向かいました。ここ積善館は、千と千尋の神隠しの舞台となった宿のモデルになったところです。地域の歴史が、アニメを通じて、世界有数の観光施設となる好事例でもあります。
そして、今回の宿「中生館(ちゅうせいかん)」にみなさんが到着しました。中生館は、明治時代につくられましたが、この地域は温泉でも源泉中の源泉の地域で、明治以前にはひとがなかなかはいってはいけない神聖な地域でもありました。パワーを感じることができる温泉です。
この温泉宿は、最近、リノベーションをして、宴会場をコワーキングスペース(共有空間)にすることで、セミナーなどができるようにしました。素敵な場所で、若者たちが自由に語り合うスペースです。
もうすでに意気投合している参加者の若者たち。英語が流暢ではない参加者もいましたが、一緒にさまざまな体験を経ているので、交流には問題なかったです。またあえて簡単な英語で話すことでみんなで笑いあうことも多く、英語がはなせないことから生まれる相手を思いやる、優しいコミュニケーションにつながりました。
夜は夕食(ブュッフェ形式)をとりながら、それぞれが自己紹介や自分の町のこと、そして将来の夢などについてプレゼンをしました。いままで行ったことのないところの話や、夢のところで同じことを考えていたり、深夜まで盛り上がりました。
さて、次の日(12月18日)の朝です。ちなみに温泉は24時間、かけ流し、入り放題。朝の露天風呂気持ちよかったです。今回、温泉が初体験の海外人財もいましたが、「とても気持ちよかったー」といってました。
朝ごはんもブュッフェで軽食にしました。生卵をたべる日本人若者に興味深々の海外の若者。「ちょっとためしてみる?」といって、人生初の生卵かけごはん。反応は・・・ちょっと微妙!?(笑)
宿の隣は、国宝級(現在は重要文化財に指定)のお寺「薬師堂」が立っています。日本の温泉宿は、観光だけではなく、湯治や信仰にもつながっています。日本ならでわの温泉の考え方も体感してくれたと思います。
この日向かったのは、中之条がすすめるサスティナブルな電力開発の現場です。日本の中でかなり早く太陽光の可能性に気づいた町は、メガソーラー発電所を町が4か所建設しました。ここはその建設地、もともとはレジャー施設のテニスコートが広がっていました。
次に向かったのは小水力電力の場所です。こちらも町の施設です。自然を活用した電力の現場を、町が応援していただき、特別にみることができました。
今回のメインイベント「参加者である若者たちによる未来会議」です。4つのチームにわかれてワークショップをしました。2日間の中でお互いを理解したこともあり、自然と4つのチームに分かれて作業できました。
まずはこの2日間でもっとも印象的だったことを中心にポストイットをつかって洗い出しと分類をしていきます。農業から観光、そして電力までさまざまなものがでてきました。
すっかり打ち解けた参加者たち。国籍も年齢も、言語も超えて、なんだか楽しそう。
そしてチームごとに中間発表。同じ場所でも、それそれが違った視点でものごとをみていることなども発見でした。
そして次に未来にむけて、こんな新しい農業やエネルギーをつかった新しいライフスタイルについて、チームがそれぞれユニークな視点から発表します。グラフィカルレコーディングの手法をつかって絵で説明するので分かり易いですね。
今回、参加していただいた中之条町の農林課の課長の小池さんと係長の宮崎さんです。4つのチームの発表に対して、講評をいただきました。「1日の滞在で出てきた内容とは思えないような意義のある発表でした」とおほめの言葉をいただきました。
発表もおわって、ほっとした後は・・・。地域のリンゴ農家の金井さんのご自宅に訪問して、たくさんの種類のリンゴをとる体験をさせていただきました。
リンゴ園のお土産コーナーもみせていただき。またたくさんのお土産もいただいて、参加者のみなさん、本当に喜んでいました。新鮮でおいしいリンゴをもらってほくほくです。
あっという間に滞在は終わって、JR中之条駅にいきました。記念写真をお互いにとりあう参加者のみなさんたち。別れがそろそろ迫ってきます。
さよなら~。電車がきたので、それぞれの場所に皆さん帰っていきました。最後まで手を振りあっておりました。
帰りの夕日です。寂しいような、そして晴れがましいような、入り混じった気持ちでみなさん帰ったことでしょう。
参加した若者の中には、次の訪問について個人的に話を進めている人たちがでてきています。また町としても、今回の提案の中での「新しい地域の受け入れ制度」について真剣に取り組む方向で調整をすすめています。さまざまな種がまかれたイベントでした。
今回、このような素晴らしいイベントの企画依頼をしていただいたJICE一般財団法人 日本国際協力センター、受け入れの調整・マネジメントをしていただいた地域のNPO「中之条コネクト」(地域おこし協力隊のみなさま)、農家の田村さん・金井さん、そして博物館ミュゼや町役場の方々、中生館のオーナーなど、様々な人たちのご厚意でここまですばらしい会になったと思います。
心より御礼申し上げます。
グローカルな仲間たち 三好
ビデオもみれます↓
--参考リンク---
JICEとは
https://www.jice.org/about/SAARCとは
https://www.mofa.go.jp/mofaj/area/saarc/index.html中之条コネクトとは
中之条町について(観光案内)
https://tabinakanojo.com/
プロフィール
Author:GLFP.JP
(G-local Friends & Professionals Japan)
グローバルにローカルにいろいろな人がつながり、各自の枠を超えた新しい価値や生き方を見つけるための「場」を提供しています。メンバーになるには下の「メーリングリストに参加する」にメールアドレスを入れてください。
最新記事
予定イベント一覧
★8月30日31日 ザンビア人たちと夏の宮城県で考える農村開発
★9月2日3日 群馬県中之条でのプロジェクトサイクルマネジメント講座
★日程未定 アフリカとつなぐオンラインイベント
★日程未定 参加型事業計画法PCMを学ぶ一日講座
★日程未定 評価(Evaluation)一日講座
★日程未定 教育につかうメタバース道場(教育者向け)
/
ブログ内の検索
主催者にメールする
閲覧者数カウント
コメント
コメントの投稿