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「ひと・人」 小黒歩実さん: フィリピンの少年の姿から

2018/11/24 10:18:00 | ひと・人 | コメント:0件

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 小黒歩実(おぐろあゆみ)
プロフィール: 栃木県宇都宮市出身。千葉大学で社会言語学を専攻し、横浜国立大学院の修士課程で開発人類学を専攻中。小学生のころからの夢であった夢の国のお掃除のお姉さんになるという夢を叶えた。ポップコーンを食べながらNETFRIXで映画や海外ドラマを見ることが好き。

地べたで頭を抱えた少年と私

 現在は横浜国立大学院の修士1年生で、開発人類学を専攻しています。国際協力に興味を持ったのは、大学3年生の時に1ヶ月語学留学としてフィリピンへ行ったのがきっかけでした。

 フィリピンのショッピングモールで帰りのタクシーを待つ列に並んでいると、小学生くらいの男の子が列で待つ人に空のジュースのカップを差し出し、お金を求めてきました。

 しかし私を含め彼にお金をあげる人は誰もいなく・・・・・。そのあと彼は地べたにしゃがみこんでずっと頭を抱えこんでいました。帰国後も彼のしゃがみこんでいる姿が頭から離れず、何か私にできることはないのかと考えました。

 その時の自分の知識や経験では全く何もわからず、その答えを探しました。

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(大学院でのセッションの様子 ファシリテーターをする小黒さん) 

自分の「答え」を求めて

 その答えを探して、まずは貧困の現状をもっと知ろうと思い、フィリピンで活動するNGOのスタディツアーに参加しました。その後、本格的に支援に関わりたいと思い、翌年に同じNGOでインターン生として4か月ほどお世話になりました。

 インターン活動を通して感じたのは、自分の知識不足でした。インターンの中で、自分が行った支援が本当に対象とする人々のためになっていたのか、自分はどう行動すべきだったのか、事前に勉強をしていれば防げたミスがあったのではないか、など多くの反省点や疑問点が浮かび、院に進学して「広く深く」開発について学べるこの分野について学ぶことを決めました。

 いまでもわからないことが多いですね。日々、いろいろな先生や多様な国籍・文化をもつ同級生から学んでいる毎日です。

oguro3.jpg (丸森・ザンビアプロジェクトの研修員の通訳をする小黒さん)

宮城県丸森で体験したザンビア

 今年の9月に宮城県の丸森町とザンビアが行っている「ザンビア・丸森プロジェクト」に2週間ほど通訳のお手伝いとして参加させていただきました。そのときにザンビアの方々が丸森の農業について学ぶだけではなくて、丸森の方々もプロジェクトを通してザンビアでの作物の栽培の仕方を学び、実際に取り入れている姿を見て「こんな風な国際協力もあるんだ!!素敵っ!!」って思ったんです(笑)

 それまでは、国際協力は片方がもう片方に対して何かを教えたり支援したりするような一方通行な形になってしまうことが多いイメージだったのですが、丸森のプロジェクトのようにお互いに良い部分を取り入れて、お互いに向上していこうとする形もあるんだと学びました。ザンビアの人と丸森という地域に住む人が直接交流するこのプロジェクトはまさにグローカルなプロジェクトなのではないかと思います。

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同じ課題、異なる文化、違う視点: グローカルと私

 双方にそれぞれの課題があって、グローバルな交流の中でお互いのローカルな視点からそれらの課題について考えて、アドバイスをしていく。遠い国同士ですべてが違うかのように感じますが、実は抱えている課題は同じようだったり、すでに一方が経験済みの課題を他方が悩んでいたりと似ている所が多くあり助け合える部分が多いのではないかと思います。

 似ているからこそ過去の経験をもとにアドバイスができたり、異なる文化や生活環境だからこそ違った視点からのアドバイスができたりなどグローカルなつながりは良い効果がたくさんあるのかなと思っています。

 グローカル(Global+Local)という素敵な活動をもっと体験していきたいですね。グローカルについては、まだ丸森のプロジェクトしか参加していないので、ほかに国際協力×地域の活動を行っているところがあればぜひ参加したいと考えています。
oguro5.jpg (グローカルな仲間たちのイベントで流しそうめんを山形で楽しむ)

----------------------(聞き手 三好崇弘)

 小黒さんはグローカルな仲間たちのメンバーとしてこれからも活躍してくれることでしょう。

 来月、12月19日の忘年会前のミニセッションでも「夢の国」をテーマにしたセッションに挑戦する予定です。

 学生でも様々な体験や挑戦をする場を提供するのが、グローカルな仲間たちです。

 ぜひ、みなさんもご参加ください。

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横浜国立大学




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