「ひと・人」平野 耕志さん: 日本にもっと農業人口を増やしたい!
2018/03/17 23:23:00 |
ひと・人 |
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プロフィール
掛川市出身。県立磐田農業高校、東京農業大学短期大学部。掛川でご両親とともに体験型観光農園「キウィフルーツカントリーJapan」を経営。ザンビアに青年海外協力隊で赴任(2012-14)。帰国後、静岡大学で農業経営の分野で修士。国内で農園を経営する一方、海外ではネパールで農業指導も行っている。
農業と私
自分は農家の次男坊。20代もつづく農家の家で、名前も「耕志」。まるで農業をやるために生まれてきたような名前ですね。(笑)
農業高校から大学でも農業を学んだのですが、実は最初は農業なんてやりたくなかったんです。
長年、勉強しても自分のやるべき農業というものが見つけられなかったですね。
父親に倣って22才のとき派米研修でアメリカで農業研修をうけて、またそのあとに2年間、両親とともに農業を手伝っていても、自分のやりたい農業というものが見つけられなかったんですね。
で、自分のやりたい農業とは何なのだろう・・・と悩んできたときに、JICAの青年海外協力隊に応募しました。
ザンビアから学ぶ
2012年から2年間、アフリカはザンビアという国で、首都ルサカにあるコンパウンド(低所得者層が住む地域)の生活改善のサポートをしていました。
そこでは、コンパウンドにすむ人たちの生活を改善するために、「儲けになる」現金収入活動をいろいろと試行錯誤しながらやっていました。
駐車場の経営から、養鶏、そして野菜の生産・販売まで、いろいろなことを試してみました。
限られた資源から現金収入につながる活動をするにはどうしたらいのか。その経験から、「経営」ということを現場で学ぶことができましたね。
その中で一つの気づきがありました。
それは日本よりもザンビアの子どもたちのほうが「リアル」に生きているということ。
例えば、ここの農園にくる日本の子供たちのなかには、牛乳がどこからくるのか(どの動物からどうとるのか)、また火はどのように扱ったらいいのか、まったく知らないこどもたちがいて愕然としたことがあります。
そのような日本の子どもに比べたら、ザンビアのルサカで出会った子供たちのほうかよっぽど現実や社会をしっかりとリアルに感じながら生きているな、と思いました。
日本の子どもたちこそ、現実(リアル)を感じながら生きる生活力を身に着けてほしい、といつか思うようになりました。
日本こそ、日本の子どもたちこそ、学ばなければいけない。
そこで、初めて、両親がやってきた「体験型観光農園」の意義というものが実感できたんです。
人が集まる農園へ
もう一つ、ザンビアから気づかせてもらったことがあります。
最初、帰国したときは、農業体験とか、茶摘みとか、食育体験とかイベントをしていたのですが、なかなか人が集まらなかったんです。
で、思い出したのが、ザンビアでの農業普及のやり方でした。
ザンビアでは、農業普及員とかは、農業を最初から普及するのではなく、まずは畑の中に十字架を立てて「お祈り」をしていたんですね。
お祈りのときは、みんなが集まってくる。畑でみんなでお祈りをして、せっかく集まったからということでお昼も畑で一緒に食べる。そして、その中で自然と農業の話をしていく。
農業を入口にするのではなく、出口というか・・・自然の流れの中で農業の話をしていました。
難しい話でなく、畑でまずは人が集まることをする。楽しいこと、みんなが集まりやすいことから、自然と畑の中で農業につなげていく。
それを思い出したんです。
そこから、自分の農園で様々な「フェス」(音楽中心のイベント)をしたり、自然焙煎コーヒーのお茶会をしたりして、まずは人が集まることを大切にしたんです。
おかげで、前よりも人が来るようになり、結果的には農園の生産・販売につながっていますし、自分が伝えたいメッセージが伝えやすくなったと思います。
今後やりたいこと
いま農家は高齢化がかなり深刻化してきて、例えば地域のお茶農家さんは平均年齢が70才。跡継ぎがまったくいない状態です。
跡継ぎがないのは、一言でいえば「儲からない」から。
儲からないのは、農家に経営の知識や経験がほとんどないままで、継承しようとしているから。
これからの農家は「経営」の理念と知識が必須だと思います。
しっかりとした経営をすれば農業は儲かります。
そのような経営ができる農家を育てていきたいです。
さらに、将来の次世代の農業人口を増やしたい。
そうですね、いま小学生から高校生ぐらいの人たちです。
その世代の人たちに、キウィフルーツカントリーに来てもらって、体験を通じて農業の楽しさやすばらしさに気づいてほしいです。
ですからこれからもキウィフルーツカントリーでたくさんの「楽しい」集まりをして、たくさんのひとに来てほしいですね。
あと・・・私ごとですが、今年、結婚して新しい家族をつくります! (笑)
家族を守る役目になりますが、自分の生きる糧は「農業」です。
自分が一つの農家のモデルとして、農業を通して幸せな家族をつくり、充実した人生を送りたいですね。
それが次に続く農業人たちに勇気を与えることにつながればいいなと思います。
平野耕志さんの関連情報
キウィフルーツカントリー
静岡県掛川市上内田2040
4月21日・22日に、この場所で「グローカルな仲間たちGLFP」主催で親子イベントを開催予定です! (近日中にニュースで公開します)
プロフィール
Author:GLFP.JP
(G-local Friends & Professionals Japan)
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