「ひと・人」更科亮さん: 人と人をつないで、社会を変えたい

 

 更科　亮(さらしな　りょう) さん

独立行政法人国際協力機構（JICA）

早稲田大学国際教養学部を卒業し、JICAに入構、国内や海外（ザンビア）で活躍。

国際協力機構（JICA= Japan International Cooperation Agency）で職員をしています。入構して10年目です。アフリカのザンビアで3年滞在して、主に教育分野での仕事をしてきました。JICAでの仕事は基本的に国を越えて人と人をつなげる仕事。貧困などの開発課題に対して、日本が人と技術を通じて支援していく中で、様々な国の人たちと仕事をしてきました。ザンビア人、日本人、そしてドナーと呼ばれる援助国ではヨーロッパをはじめとする様々な国籍の人たちとつながることができました。昨年に国内にもどり、今は東京（JICA本部）で貿易円滑化の仕事を担当しています。国内といっても、海外出張が多くて、あまり国内という感じもしませんが（笑）

私が国際協力に目覚めたのは、私の高校時代、ベトナムのある孤児院を訪れた事がきっかけでした。ベトナムの孤児院の現状をみて、自分ができることはなんなのか、それを模索しました。そして、大学生時代はカンボジアの孤児院支援にNPOを通じて携わることとなりました。孤児院の支援を通じて、国がまた生まれた環境がたまたま違うだけで、違う人生を歩まざるを得ない人たちとふれあい、自分の人生についても考える機会でしたね。もちろん、子供たちの笑顔にもとても元気づけられました。助けに行ったのですが、こちらが元気づけられました。（笑）カンボジアの人々が何に悩み、何を求め、何を目指しているのかを日々考えたことで、国際協力の道に進もうと決めたんです。

 

（カンボジアでの活動の様子）

海外での仕事が多いのですが、その点から国内の地域の魅力についても具体的に考えられるようになりました。私が思う日本の地域の魅力は、「コミュニティ全体で作り上げる、結束力」。地域=コミュニティの結束力というものは、実は世界的にみればとても貴重で重要な要素だと思います。私たち日本人が普通だと思っている「地域の結束」というものがない国や地域もたくさんあるんですよ。そこをどう伝えていくか。世界の一般常識としての組織では、「ビジネス」や「サークル・クラブ」という目的別の組織はよくあります。でも、そこで暮らしている= 地域を共有し、生活しているというう共通点から生まれる人々の輪= つまりコミュニティというものは、とても貴重だと思います。またそのコミュニティという存在がひとつの「生きる知恵」というものだと思います。

Global とLocalを合わせて、グローカル。その言葉から連想できるのは、ウインウイン(Win=Win)になれる関係だと思いますね。特に日本の地域は人口減少が深刻で、また高齢化もものすごい勢いで進んでいますよね。でも、反対に、海外は人口が増えている国もたくさんあります。発展途上国と呼ばれる国は、まさに現在「発展の途上」↑↑↑↑にあるわけですから、そんな元気な国々とつながることで、刺激を受けて、海外のスパイスを入れる事で、日本の地域の活性化の材料になればいなぁと。反対に海外（発展途上国）は日本のコミュニティの力や知恵を学ぶことで、自国の地域の活性化の起爆剤になるのではないかと思います。グローカルという言葉には、相互で刺激をあたえながら、お互いが発展できる大きな可能性を秘めた魅力を感じますね。

現在の仕事だけでなく、仕事以外でも、グローバルなマッチングをしていきたいですね。人と人をつなげて新しい価値をつくっていきたいです。国際機関、日本企業、地方、様々な関係者と途上国を繋げていき、社会をいい方向に変えていきたいですね。社会を変える!!!なんて、大げさかもしれませんけど、まじめに考えているんですよ。（笑）いま「社会を変える人になる」ということを勉強する塾のようなものに通っています。自分の現状に満足しておしまい、というのではなく、これまでの自分を超えて新しい自分を見つけていきたいですね。自分の限界としての「世界」を広げるグローバル化ですね。ですので、この「グローカルな仲間たち」で、自分の業界（世界）では会えない人との出会いがあり、刺激をうけています。どんな人と会えるのか、楽しみです。

更科さんは10月26日に、「将来、社会を変えるための１ステップ～コンフォートゾーンの外に出るために、あなたに必要なこと～」という勉強会をグローカルな仲間たちで開催します。

ぜひ、ご参加ください。

国際協力機構

更科さんによる10月26日（金）の特別講習会